ディズニー映画「アナと雪の女王」の主題歌「ありのままで」で一気に有名になった「Let it go」というフレーズ。「ありのままで」という和訳は、正確には正しくないそうです。「let it go」の本来の意味は、「何もしないで」、「放っておこう」、「忘れよう」だそうです。ですから、「ありのままで」とは、少しニュアンスが違う気がしますね。
アメリカでは、悩みや怒りがあったり、トラブルに巻き込まれている家族や友人に対してアドバイスをするときに「let it go」を使うそうです。「そんなこと忘れようよ」、「それは放っておいた方がいいよ」という意味で使います。「let it go」は、具体的な解決策を提案しているわけではありません。つまり、「具体的な解決策がない悩み」に対してのアドバイスです。そのため、心理カウンセラーなどは、よくこのフレーズを使います。「それ以上問題にせず、そのままでよしとする」という意味になります。
さて、音楽の教科書にも載ったビートルズの「Let it be」。良く似たタイトルですね。両者ともに「放っておく」という意味となるそうです。訳も同じ、違いはgoとbeだけのようですが、実はかなり意味合いが異なります。実は”Let it be”とは、”Amen”を表す言葉です。元はヘブライ語、キリスト教の言葉で、日本では「アーメン」と訳されるあの言葉です。和風に表現すると「天の神さまの言うとおり」が近い表現でしょうか。ビートルズの歌う「Let it be」には次のような解釈があります。「神さまはきっと見ていてくださる。救われることを信じて,今はじたばたせずに結果を待とう。」Let it be = Amenと考えれば、かなりしっくりきますね。また、歌詞を見ても、かなりキリスト教色の強い歌であるとも言えます。まさに「神さまの言うとおり」ですね。
つまり、アナと雪の女王で、エルサが自らの取り巻く状況を「Let it be」ではなく「Let it go!」と歌うのは、「神さまや誰の意思でもなく、自分の意志で気にしないと決めた。」という、力強い決断を示している、ということになります。
「具体的な解決策がない悩みに対して、それ以上問題にせずそのままでよしとする。自分の意志で気にしないと決める」この考え方はいわゆる「悟る」に近いのではないかと思います。
私たちは、ついつい保育の場面で(あるいは子育ての場面で)、自分の思い通りにならない子どもたち(我が子)の「今できない現実」に対して、必要以上にイライラしたり、がっかりしたりしてしまいがちです。でも、ここまでアプローチしたのだから、あとは、それ以上問題にせずそのままでよしとする、そんな視点が求められているように思います。
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