2019年11月27日水曜日

2019/11/27(水) 葉っぱ

 直径1.5mはある大きな葉っぱを持つ植物を園庭で育てています。中心部分に注目してください。

 何やら見覚えのある形ではありませんか?そう、ブロッコリーです。大きなおおきな葉っぱでお日さまの光を受けブロッコリーに栄養を送っているのですね。それにしてもこんなに大きな葉っぱが必要だったなんて知りませんでした。

 「園庭のこの土の量では、3株しか植えられないよ」と園芸店のご主人が言っていたことを思い出します。私は「そんなことないだろう、倍(6株くらい)は植えても平気なんじゃないか」と思いましたが、ご主人の言う通りでした。このブロッコリーは、お店では100円から200円位で売られていますが、こんなに場所をとるのであれば、もう少し高い値段じゃないと採算が取れないのではないかと心配してしまいます。

そして、真っ赤なシクラメン...。今、3階の保育室にあります。売っているおじいさんが、面白いことを言っていました。「シクラメンの良し悪しは、葉っぱで決まるんだよ。ここにある二つのシクラメン、花だけ見ると同じように見えるけど、葉っぱを触ってごらん。良いシクラメンは、葉っぱが固いんだ。」と...。触ってみると、なるほど、一方は柔らかい葉っぱのシクラメンで、もう一方は固い葉っぱのシクラメンでした。

おじいさんは、さらにこう言いました。「葉っぱの数にも違いがあるんだよ。固い葉っぱは、数が多いんだ。実は、花の数と葉っぱの数は同じで、一枚の葉っぱに一輪の花が咲くんだよ。だから、葉っぱの数は、多い方が良いんだ。」

 私たちは、ついついブロッコリーの美味しい可食部分やシクラメンの花の美しさに目や心を奪われてしまい、葉っぱにはあまり目が向かないように思います。でも、それらをしっかりと支えてくれていたのは、葉っぱだったんですね。葉っぱ無くしては、ブロッコリーもシクラメンも無い...ということなんだと思います。


 お子さま一人ひとりのまわりにある、見えないけれど葉っぱのように優しい、ご両親やご家族、それにお友だちやスタッフという支えがあるからこそ、今、このお子さまが存在するんだと思った時、それは、かけがえのないことだと思います。

 スタッフ一人ひとりのまわりにある、見えないけれど葉っぱのように優しい、ご両親や配偶者やご家族、そしてお友だちや他のスタッフという支えがあるからこそ、今、このスタッフが存在するんだと思った時、それもまた、かけがえのないことだと思います。

 ところで、シクラメンのおじいさん、そんなに正直に良いシクラメンから売ってしまうと...。良くないのばっかりが残ってしまい、後で売れなくなってしまうんじゃないかしら...。

2019年11月12日火曜日

2019/11/12(火) テレビ

元郷園では、毎日夕方の4時30分、もしくは5時を過ぎると、2階の保育室に全園児が集まって、保護者のお迎えを待ちます。お迎えを待つ間、子どもたちはめいめい好きな遊びをしたり、保育士と歌をうたって楽しんだり、NHKの子ども向け番組等を見たりしています。

時折、保護者の皆さまから「お迎えに行くといつもテレビを見ている」と、お問い合わせを受けることがあります。なので、ここはきちんと説明をしなければと思います。

保育園の生活は、7時から19時までの一日12時間と、とても長いものです。その内、テレビを見て過ごす時間は、その日によって前後しますが、17時~17時半くらいから18時過ぎまでです。昼間の時間はテレビは見ませんし、18時を過ぎるとお子さんの数が少なくなるので、テレビを消して自由遊びを行っています。

元気に過ごしているお子さんも、たとえ昼寝をしたとしても、夕方になるとだんだん疲れが出てきます。お子さんの疲れを考慮すると、夕方以降はなるべく家庭に近い環境設定の下、ゆったりゆっくり過ごす方が望ましいと思います。そこで、テレビの使用が考えられます。NHKでは「子どもによい放送プロジェクト」という研究機関をつくり、研鑽を重ねているようです。当園では、このような良質の番組を選んで提供しています。プロジェクトでは、仲間や保育士と会話しながらテレビを見ることと、子どもだけで一方的に見続けることには、大きな違いがあると結論付けています。当園では、お子さんに寄り添って会話をしながら見ています。なお、NHKだけでなく、他者のために自分を捧げる哲学を持つ、やなせたかし氏の「アンパンマン」も見ています。

一方、世間的には、保育士は重労働な職業の一つと言われています。朝から真剣にお子さんと向かい合い、自発性と思いやりを育むような環境作りに心血を注いでいると、その疲労は夕方ごろにピークを迎えることになります。保育士を守る意味でも、「子どもによい放送プロジェクト」監修の番組等を用いることには意味があると思います。

お迎えの時間とテレビを見る時間が重なってしまうので、保護者の皆さまよりご意見があることは重々承知しています。ですが、このように考え実践していますので、広い心で受け入れていただけましたら、まことに幸いです。