2021年8月1日日曜日

2021/08/01(日) 保育園の価値

 先日、コロナウイルスをテーマにした、とある保育研修に参加しました。どちらかというとべらんめえ口調で、大変面白かったのですが、そのままの形で載せるわけにはいきませんので、先生の趣旨を私の言葉で翻訳して、発言形式で紹介しますね。

 「コロナ禍の今、大人の世界では、濃厚接触を避けることが当たり前の世の中になっています。しかし、『10歳以下の子どもが、コロナウイルスで重症化したり亡くなったりする事例は、世界中探しても無い』ということは、注目に値します。一方、子どもと子どもが、肩寄せ合って濃厚接触をする中で、集団生活を営むことこそ、保育園の価値だといえるのではないかと思うのです。保育園とは、『濃厚接触を前提とした集団生活の場』であり、濃厚接触は子どもにとって価値あることなんです。」

 「それなのに、濃厚接触を防ぐ対策として、互いに向かい合わないように座って食事をしたり、午睡時には布団と布団の間をできる限り離したり、パーテーションを設けて飛沫を防いだり、といったことを行っていませんか?それらは全く意味がなく、間違いでしかありません。なぜなら、その規制の時が過ぎた次の瞬間、子どもたちは頭と頭を突き合わせ、手と手を取り合ってコミュニケーションを始めるからです。子どもたちのコミュニケーションを止めてはなりません。それは、子どもにとって価値あることだからです。」

 「そもそも、コロナウイルスというものは『タバコの煙のようなもの』で、空気感染によってうつるものです。対面を避けたから、少々距離をとったから、パーテーションをしたから、といったことで、タバコ臭い空気から逃れることができますか?できないでしょう。コロナウイルス感染の正しい対処法は、換気(空気の入れ替え)です。そして、手を清潔にすること、あとワクチン接種、これに尽きます。」

 「繰り返しになりますが、保育園でむやみに濃厚接触を防ぐ対策をとるということは、子ども同士の濃厚接触を否定することにつながりかねません。それは、保育園の価値を否定することに他ならないことを認識すべきと思います。『濃厚接触を避けることはできません』と、保護者にきちんと表明しておくことが、保育園としての責任ではないかと思います。」

 以上、講義の一部分の紹介でした。講義というよりも、抗議に近かったですね。ここからは、私の表明です。今まで世論や役所等の指導に寄り添おうとしたことは、無意味なことに神経を使ってきたと言い換えることができるような気がしています。濃厚接触は、子どもにとって価値あることなのです。さくらそう保育園では、濃厚接触を避けることはできません。保護者の皆さま、趣旨をご理解の上、ご理解・ご協力のほど、お願い申し上げます。