2023年3月24日金曜日

2023/04/01(土) 子どもよりも大人が変わる保育 (ぱぱさん)

 これは、朝日新聞2023/3/4の記事です。


 ある日、ちょうど給食が始まろうとしている時、私は、3階の保育室に用事がありました。保育室に行ってみると、4・5歳児のみんなは、給食の支度をあらかた終えて、テーブルを整えてイスに座り、あとは配膳とお当番の出番を待つ、といった感じでした。そんな中、おはな(5歳児)さんの男の子が一人、給食とは異なり、テーブルで粘土遊びに集中していました。

 男の子は、5歳児クラスとは言っても、まだまだ育ちの途中で、日によって感情の高低差があり、おそらく、この日は、気分がとてもブルーだったのではないかと思います。

 一般的に、子どもの心が不安定な時は、やわらかな感触のものを指先で感じるような環境を提供すると、不安の解消につながることが多いと、私たち保育士は知っています。そこで、大人が変わって、許される限界まで、粘土遊びが行われていたのですね。男の子は、自己実現ができて幸せです。ここで強調したいのは、周りのお友だちも、そういう枠に入りきれないお友だちを優しく肯定して、「仲間」として受け入れていることです。

 「インクルーシブな保育」という言葉が、聞かれるようになってきました。大人が変わる、すなわち、「多数派を少数派の方向に動かすことで、それが多数派のためにもなる」ということのようです。大人が変わらない、すなわち、「少数派を多数派の方向に動かす保育」とは、真逆の考え方です。「みんな一緒」から「みんな違ってみんないい」に、「早いのがいい」から「遅いのもいい」に、ということですね。詳細については、ぜひ、発達173号ミネルヴァ)を手に取ってみてください。


 私は、保育や介護といった分野では、「違いがいい、遅いのもいい」と考えられる人が多くなると、優秀な人材が育つようになると思っています。そうなると、人類の未来が、明るくなりますよね。

 「子どもよりも、大人が変わる」、そんなさくらそう保育園でありたいと思います。

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