2022年10月5日水曜日

2022/10/05(水) 話す力、聞く力等 (ぱぱさん)

 2歳児クラスのKちゃんが、ニコニコしながらも怒っているご様子です。何か言いたげだったので話を聞いてみると、「くるくるぼう、かってになくなっちゃったぁ~、もうプンプン!!」どうやら、自分で広告紙を丸めて作った棒が、見当たらなくなったことを怒っているようです。

 無くなったことは、恐らくKちゃん自身の不注意、管理不足だと思われましたが、そのことを「くるくるぼう自身」に見事責任転嫁して、「無くなるくるくるぼうが100%悪い!」というニュアンスで話してくるKちゃんの姿が興味深かったです。「自分が悪かったかもしれない」という視点はゼロなのです。

 小さなお子さまは、自分のことで精いっぱいで、「もしかしたら、自分にも落ち度があるかも」なんて考えることはできませんね。ですが、年齢を重ねてくると、逆に「全て自分に責任がある」と落ち込んでしまう方々がいらっしゃるようです。そんな世の中の「自己嫌悪」で悩んでいる老若男女の皆さまには、朗報になるように思いました。Kちゃんのように「自分には落ち度がない」と考えれば、心が折れることはないでしょう。Kちゃんの「話す力」は、日々、力をつけてきているようです。

 3階の4~5歳児は、お友だちの前に立って、「自分が興味あること、今、自分が考えていること」を口頭で発表するのが大好きなようです。とにかく、自分の話をみんなに聞いてもらいたいのですね。先月、お引っ越ししたK君は、恐竜博士さながらで、「三畳紀からジュラ紀、白亜紀にかけての恐竜の進化の過程をお友だちに発表し、白亜紀末に巨大隕石が地球に衝突し、恐竜が絶滅したことを強調していました。後日、K君自身に聞いてみると、彼は恐竜出現以前のデボン紀に魅力を感じているとのことでした。すごいですね。保育園の蔵書である小学館の図鑑NEOに刺激を受けたようです。この年齢のお子さまは、「話す力」が抜群に伸びる時期のようです。

 保育士は、「聞く力」に長けているように思います。いざこざで、こじれている、お友だち同士の関係を、お子さま一人ひとりの意見に耳を傾けて、例えそれが独りよがりの思いだったとしても、「そういう気持ちだったんだね」と共感し、周りにいる第三者の意見も取り入れつつ、極力公平に、且つ愛をもって寄り添う姿に美しさを感じます。そして、年齢を重ねると、「聞く力と謝る力」ですね。スタッフのみなさんには、いつも感心しています。ともあれ、お子さまには、「今、獲得できる能力を伸ばしていってもらえたら」と願っています。

 蛇足ですが、人間の「書く力」のピークは、約70歳くらいなのだそうです。体は衰えるけれど、「書く力」は伸びるんだって...。老人は書くしかない!

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