2021年明けましておめでとうございます。新年を迎えましたが、新型ウイルスが益々猛威を振るっているこの頃です。マスク着用・手洗い・うがい・密の回避を心がけたいものです。
さて、"モノ"に関して大体共通する点ですが、購入した時が最高の状態であるものがほとんどです。電化製品、服、住宅、etc...。購入した時が一番機能が高く、その後、経年によって劣化していくというものです。それに対して、木を使用している楽器などは、傷はつきますが、使い込むごとに味わいが増していくものです。
出来の良いウクレレやギターは、買ったばかりの時は、木が細胞レベルでささくれ立っていたり、組み立て時のストレスでおさまりが悪かったり、水分が抜け切れていなかったりして、音はいまいちのことが多いものです。ところが、人の長年の弾きこみによって、少しずつ良い音に変化していくのです。10年、20年、30年の弾きこみを通して、最高の音質になっていきます。木に振動を与えてやることが大切なので、弾きこまないで保存していても音は良くなりません。弾きこみ続けてから30年ほどかけることで、ウクレレやギターは、楽器本来が持つ良い音に育つのです。
これって、ウクレレやギターを「人」に置き換えても成り立つように思うのです。
子どもが好きな遊びに関心を寄せて、自己実現に向かって突き進む姿は、まさに良い音になるための弾きこみと考えれられます。それだけでなく、一見マイナスとも思える、思い通りにならない場面で泣いたり怒ったりすることも、人の痛みを知り、人の痛みに寄り添う、美しい音を出すための弾きこみではないかと思います
さらに、大人が職業を持つということも、「弾きこみ」と同意のように思います。その人が本来持つ能力を発揮できる保育士に育つには、最低でも、保育士資格を取得してから10年くらいの経験は必要なのではないかと個人的には考えます。そして、本当にその保育士の持ち味が出るのは、50歳を過ぎてからというようにも感じています。
ウクレレやギターであれば「劣化」ではなく「変化」であり、人であれば「老化」ではなく「深化」であると考えたいと思います。深化するということは、保育の中で枠にとらわれない子どもに対して、「まっ、いいか」と悟る心を得ることだと思います。
2021年も、川口市の保育の一助として、その役割を果たしていけたらと思います。今年もよろしくお願いします。
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